三重県議会は23日の本会議で性的指向や性自認を第三者に暴露する「アウティング」とカミングアウトの強制を禁止する条例案を全会一致で可決した。条例の目的を「性の多様性を認め合う社会の実現」と位置付けた。施行は4月1日。アウティング禁止条例は東京都国立市などが施行しているが都道府県レベルは初。
国は昨年6月施行の女性活躍・ハラスメント規制法の指針でアウティングをパワハラと規定し、大企業に防止対策を義務付けた。ただ職場以外に規制はない。三重県の条例制定を受け、他の自治体に影響が広がるかが注目される。条例では目的を「性の多様性が理解され、多様な生き方を認め合う社会の実現に寄与すること」と明記した。性的指向や性自認に関し「本人の意に反して正当な理由なく暴露してはならない」「性的指向を理由とする不当な差別的取り扱いをしてはならない」と規定した。