ソ連崩壊30年

秘密警察始祖の銅像復活運動 ソ連回帰の風潮を反映

ソ連末期にKGB本部前から撤去され、モスクワ市内の公園に移されたソ連秘密警察の創始者、ジェルジンスキーの銅像(小野田雄一撮影)
ソ連末期にKGB本部前から撤去され、モスクワ市内の公園に移されたソ連秘密警察の創始者、ジェルジンスキーの銅像(小野田雄一撮影)

【モスクワ=小野田雄一】旧ソ連崩壊から30年を迎える今年、ロシアの首都モスクワでソ連崩壊期に撤去された秘密警察創始者の銅像を、中心部のソ連国家保安委員会(KGB)=現・連邦保安局(FSB)=本部前に戻そうという運動が起きた。2月末にその是非を問う住民投票が行われ、反対派が勝利して計画は頓挫。しかし、再設置運動が起きたこと自体が、ソ連時代を美化し、ソ連型の統制国家に回帰するロシアの風潮を反映している。

問題の銅像はプーチン大統領の出身母体、KGBの前身となった秘密警察組織をソ連草創期に創設したジェルジンスキーのものだ。ソ連崩壊期の1991年8月、守旧派のクーデター失敗に歓喜した群衆がこの銅像を引き倒し、ソ連が崩壊に向かう歴史的場面となった。その後、銅像は市内の公園に移設されていた。

しかし今年2月、プーチン氏がトップを務める愛国運動団体「全ロシア人民戦線」幹部の著名作家、プリレピン氏らがモスクワ市当局に再設置を請願。退役軍人で作る保守派の団体も再設置案を支持した。

KGBへの強い親近感を抱き、ソ連時代を肯定的にとらえるプーチン氏の意向を忖度(そんたく)するかのような動きだった。

市当局に政策提言を行うモスクワ社会評議会は、ジェルジンスキー像を元の場所に戻すか、同じ場所に中世ロシアの英雄ネフスキーの銅像を設置するかを問うオンライン住民投票の実施を決定。ジェルジンスキー像の再設置論は過去にも保守派などから出ていたが、住民投票の実施は初めてだった。

2月25、26日に行われた投票には32万人が参加。発表によると、ジェルジンスキー像への支持は45%、ネフスキー像は55%だった。ソ連時代の弾圧や大虐殺を主導した秘密警察への拒否反応もまたロシア社会には強いことが示された形だ。

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