松田、向かい風でも力強さ復活 名古屋ウィメンズマラソン

自らのタイムを前に写真撮影に臨む松田瑞生=14日、バンテリンドームナゴヤ(鳥越瑞絵撮影)
自らのタイムを前に写真撮影に臨む松田瑞生=14日、バンテリンドームナゴヤ(鳥越瑞絵撮影)

 14日に行われた名古屋ウィメンズマラソンで、東京五輪マラソン女子代表補欠の松田瑞生(ダイハツ)が初優勝を果たした。

 何度も向かい風に見舞われる悪条件の中、強い信念で前へ前へと進んだ。東京五輪代表を逃し、1年2カ月ぶりのマラソンとなった松田。「どん底に落ちたからこそ、はい上がる姿をみせたい」。力強いフォームにその思いが表れていた。

 独走のレースでも集中力は切らさなかったが、ゴールして山中美和子監督の胸に飛び込むと、涙が止まらなかった。自己記録に4秒届かず「悔し涙」と強調したが、復活の一歩を刻んだ安(あん)堵(ど)もあっただろう。

 1年前の名古屋ウィメンズで一山(いちやま)麻緒(ワコール)が五輪代表の最後の一人に滑り込み、一度は代表をつかみかけていた松田は補欠に回った。それ以降は明るい笑顔は消え、報道陣の前で涙を流した日もあった。

 何度もやめようと考えた。そのたびに家族や監督だけでなく、ファンの声にも励まされ、気持ちをつなぎとめてきた。ただ、「スタートラインに立つことが怖くなった」と振り返る。それを拭い去るには練習しかなかった。今大会に向けては月間1000キロ以上を走り込み、今までで一番多い練習量を積んだ。

 日本記録更新という目標もあるからこそ、2時間21分台のタイムには決して満足していない。「スピードを鍛え直し、次は最高の笑顔を届けたい」。最後は言葉にも活力が満ちていた。(丸山和郎)

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