女性活躍 日本企業も課題 変革迫るESG投資

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が女性を蔑視する発言で引責した問題は、日本女性を取り巻く厳しい社会状況を浮き彫りにした。森氏の発言には、大会のスポンサー企業からも批判が出ていたが、日本企業も女性の登用で課題を残す。企業の社会課題への取り組みなどを投資判断の基準とする「ESG投資」の浸透も日本企業に変革を迫る要因となっており、企業が社会問題への取り組みを先導すべきだとの期待も高まっている。

経済協力開発機構(OECD)によると、日本の主要上場企業の女性役員比率は昨年10・7%。加盟37カ国のうち32番目と、諸外国に比べ出遅れが目立つ。

それでも日本企業はこの数年、女性の登用を少しずつ進めてきた。

日本企業の女性役員を増やすキャンペーン「30%(サーティーパーセント)クラブジャパン」によると、東証1部上場の上位100社で女性役員が複数いる企業の比率は昨年7月末時点で6割と初めて過半となった。一方、女性役員ゼロは8社と過去2年で3分の1に減った。

企業が女性登用に真剣に取り組み始めたきっかけの一つが、ESG投融資の拡大だ。ESGの「S」は社会(ソーシャル)を表す。投資家は企業に対し、人権への配慮や社会への責任を果たしているかを問いかけている。

男女差別の撲滅も重要なテーマの一つで、業種に関係なく問われる課題だ。大和総研の太田珠美主任研究員は「多様な考え方が新しいビジネスチャンスやリスクの発見につながる」と解説する。企業の成長力を測るため、特に海外投資家は取締役会の構成をチェックする傾向が強いという。

今春改訂されるコーポレートガバナンス・コード(企業統治原則)でも、上場企業に対し、取締役や管理職の性別、国際性、職歴など多様性の確保を求める方向だ。

森氏の発言は海外でも大きく報じられ、波紋を呼んだ。太田氏は「SNS(会員制交流サイト)の普及により、企業もこうした問題に対して何も発信しないとたたかれるリスクが出てきた」と指摘。一連の問題をきっかけに日本企業が多様性の尊重に注力することに期待感を示した。(米沢文)

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