マツダが示す中小企業のDX「スモール」を強みに変えた慧眼

マツダには、広島周辺の部品メーカーとの強い結びつきがある。ご存じのように、マツダは1920年に広島市で東洋コルク工業としてスタートして以来、地場の部品メーカーと強い結びつきを築いてきた。

その上、「ひろしま自動車産学官連携推進会議(ひろ自連)」のバックアップ体制が大きい。常任団体は、ひろしま産学振興機構、マツダ、広島大、経産省中国経済産業局、広島県、広島市だ。つまり、地元が一体となってDX化に取り組んでいるのだ。

DXの具体例

その中で、力を注いでいるのは、DX人材の育成だ。中小企業を対象にしたMBD/CAE(computer-aided engineering、コンピューターを用いてシミュレーションなどをする作業)研修カリキュラムを開発し、研修を実施しているほか、この1月15日には、「ひろ自連」主催のWEBセミナー「DX・第4次産業革命の機会と脅威」を開催している。

ここで、広島周辺の地場企業の具体的なDXの取り組みを見てみよう。

東広島市のティア1サプライヤー(1次下請け)のダイキョーニシカワは、クルマの内外装およびエンジン関係樹脂部品の開発から生産までを一貫して手掛ける。

同社は、2016年にMBD推進部門を発足。ひろ自連の技術面のバックアップや「ひろしまデジタルイノベーションセンター」のCAEソフトやスーパーコンピューターなどの計算機環境を活用するなどして、DX化を進めている。

具体的な事例として、インストルメントパネル(計器盤)の衝突性能の開発が挙げられる。従来は、インストルメントパネルとその周辺部品だけでCAE解析をしていたが、車体も含めた大規模モデルを作成し、さらには衝突時の速度を想定した材料物性を織り込んでCAE解析をすることにより解析精度を上げ、設計変更ロスを大幅に削減している。現在、MBDのティア2サプライヤーへの展開を計画している。

さらに、自動車用ドアと排気系部品の設計から量産を手掛ける広島市のヒロテックは、MBDの導入によって、開発型部品メーカーへの転換を果たした。

完成車メーカーだけで行ってきた機能設計に、パートナーとして参画する技術を身に着けた結果、排気系部品のモデルを車両モデルに組み込み、クルマ全体の燃費性能を予測し改善案を考えるなど、システム全体を俯瞰(ふかん)した高度な技術提案企業に変身した。

指摘したいのは、部品サプライヤーにとってもDX化は大きな成長の機会だということである。日本の中小部品メーカーの中には、まだまだDX化の取り組みに躊躇(ちゅうちょ)しているところが少なくない。しかし、ダイキョーニシカワやヒロテックの事例に見られるように、DX化は大きな飛躍の機会であるとともに、それによって国内外の受注を拡大する絶好のチャンスでもある。

意識しなければいけないのは中国の部品メーカーである。とりわけ、中国におけるサプライチェーンのDX化には目覚ましいものがあり、国内の部品メーカーは中国の部品メーカーの動きに戦々恐々としている。その動きについていけないと中国市場で生き残れないので、国内メーカーも必死だ。

トヨタはもともと、中国におけるサプライチェーンのDX化を図ってきた。トヨタの中国市場向けの自動車開発拠点であるトヨタ自動車研究開発センター(TMEC)は、試作車開発に向けた調達業務の管理をインターネット上で行う仕組みを開発し、すでに運用を開始している。

「CASE」による自動車環境を取り巻く変化は待ったなしだ。また、新型コロナウイルスの世界的拡大も、製造業のサプライチェーンに深刻な影響を与えている。

これをチャンスととらえ、自動車サプライチェーンのDX化を進めることができるかどうか。DX化によって新たなモノづくりの在り方を構築し、飛躍のステップにすることができるどうか。それは、自動車産業をより強くするための試金石と言っていいだろう。

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