ミカンだけじゃないタチウオ日本一 和歌山・有田の宝石 

ミカンだけじゃないタチウオ日本一 和歌山・有田の宝石 
ミカンだけじゃないタチウオ日本一 和歌山・有田の宝石 
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 「温州(うんしゅう)ミカン」の全国的な産地として有名な和歌山県有田市には、一般的にはあまり知られていないもうひとつの地域自慢がある。細長い魚体でおなじみの「タチウオ」の漁獲量が市町村で日本一なのだ。「有田市はミカンだけじゃない」と、地元では「タチウオのまち」を積極的にアピール。さまざまな取り組みに近年、力を入れている。  

(西家尚彦)

黒潮流れ込む好漁場

 年の瀬を迎えた昨年12月23日。紀伊水道に面した有田市の箕島漁港には、この日のセリに合わせて午後3時ごろ、小型漁船が次々に帰港した。

 地元の漁師、藤尾康起さん(26)の底引き網には、大量のマナガツオに交じり十数匹のタチウオが入った。「サイズは小ぶりですが、銀色の魚体が輝いているでしょう」と笑顔をみせた。

 漁港で待ち構えていた仲買人も「マナガツオがメインの季節に、宝石がとれたようなもんや」と、ずらりとタチウオが並ぶ木箱をのぞき込んだ。

 市内の沿岸付近は、タチウオの稚魚が好む小さなエビや成魚が好むイワシなどが豊富で、昔からタチウオ漁が盛んだ。

 その地理的な理由を、県水産試験場資源海洋部の安江尚孝研究員は「黒潮が流れ込み、近海から越冬するタチウオも多い好漁場」と説明する。

家のごちそう

 タチウオ漁は主に春先から夏場にかけて最盛期を迎えるが、年間を通して水揚げされる。身はふっくらして食べやすく、煮ても焼いてもおいしい。有田では昔から家庭のごちそうとして親しまれてきたが、有田箕島漁業協同組合(有田市)によると、昭和40年代、タチウオをとりやすい編み目の細かい専用網に改良されたのを機に漁獲量が一気に増えた。

 農林水産省の調査によると、有田市の平成30年の漁獲量は486トン。全国の漁獲量(6448トン)の約7・5%を占める。

 市町村別に平成7年以降でみると、豊後水道に面した大分県の国東市に負けた19年を除けば、1位の座を守り続けている。

 全国各地のタチウオ漁は一本釣りが多いが、有田箕島漁協では小型漁船約100隻の大半が底引き網でタチウオを狙う。それが「全国一の漁獲量に結び付いている」(尾藤勝徳・副組合長)。

たっちょの日も制定

 そこで市は近年、全国に誇る特産の温州ミカンに加えて、「タチウオのまち」のアピールに漁業組合とも連携して力を入れている。

 10年には市中心部にステンレス製で銀色の光沢を放つ高さ6・5メートルの「たちうおシンボルタワー」(愛称タッチー)を設置。29年にはタチウオを「市の魚」とした。

 タチウオは地元で「たっちょ」と呼ぶため、毎年11月11日を「たっちょの日」としている。タチウオが垂直に並ぶ姿が数字の「11」を連想させるのが制定の由来だ。

 ちなみに、よくタチウオが垂直の姿勢になる理由について、和歌山県立自然博物館の揖(かじ)善継・主査学芸員は「海底に潜んで上を通る小魚を狙い、垂直に泳いで捕食する習性がある」と説明する。

 箕島漁港で水揚げされる大型のタチウオは漁協組合が「紀州紀ノ太刀(きのたち)」としてブランド化。県も優良県産品(プレミア和歌山)に認定し、知名度アップをサポートしている。

 箕島漁港の一角には昨年5月、漁業組合直営の地域物産施設「浜のうたせ」がオープンした。鮮魚コーナーには、水揚げされたばかりの新鮮なタチウオなどが並ぶ。

 中田博也支配人は「新鮮なタチウオは塩焼きや煮つけだけでなく、刺し身にしても甘みもありおいしい。有田に来てタチウオの食べ歩きも満喫してほしい」と話している。

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