ゴーン被告逃亡支援犯、進まぬ身柄移送 「事実無根」の国連意見書影響か

事実と異なる内容の意見書がなぜ国連の部会でまとめられたのか。検察幹部は「ゴーン被告の嘘の主張をそのまま部会がうのみにした」と主張する。検察OBの弁護士は「日弁連の一部弁護士らが必要以上に日本の刑事司法を批判するロビー活動を展開し、それらがねじ曲げられて海外で浸透していった」と分析する。

なお日弁連は作業部会の意見書の公表と同時期、「えん罪を防止するための刑事司法改革グランドデザイン」の改訂版を英語で公表。勾留請求の却下率が低いことなどを訴えている。

米陸軍特殊部隊グリーンベレー元隊員、マイケル・テイラー容疑者(60)と息子のピーター容疑者(27)は、ゴーン被告の逃亡を手助けしたとして昨年1月、地検特捜部が逮捕状を取り、米当局が5月に拘束した。

この動きを受け、東京地検側は米当局に身柄の引き渡しを請求し、10月までにマサチューセッツ州連邦地裁や米国務省が引き渡しを一度は承認した。

だが、その後に弁護側がこの承認に異議を申し立て、その中で「日本では保釈中の逃亡は犯罪にあたらない」「日本では不当な拘禁が行われる」などと主張。移送は一時差し止められた。

●海外積極発信を

国連作業部会の意見書はその直後にまとめられた経緯がある。関連性について検察OBの弁護士は「意見書に米裁判所が流されるとは思わない」と指摘。一方で別のOBは「意見書とテイラー親子の弁護人の主張は重なる部分があり、影響はありうる」とした上で、「これまで国際的な情報戦に日本の法務・検察当局は後塵(こうじん)を拝し続けた。今後は積極的な海外発信が重要になる」と指摘した。

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