地上でもっとも優しい歌声と称される歌手、中孝介(40)が今年デビュー15周年を迎えた。昨年は新アルバム『あなたがいるだけで』(よしもとミュージック)も発表。シマ唄の心をJ-POPの世界に持ち込んだ15年の軌跡を振り返った。
鹿児島・奄美大島の出身。音楽好きで高校1年で奄美の民謡に出合う。コンサートで聴いた元ちとせのシマ唄に衝撃を受け、独学でシマ唄を会得。ソウルフルなうねりを打つ歌声で2006年にメジャーデビューし、翌年、森山直太朗作曲の『花』でその名を全国に知らしめた。
1年半ぶりのアルバム『あなたがいるだけで』には13曲収録。うち6曲はデビューの前年に発表したインディーズ時代のミニアルバム『Materia(マテリヤ)』からの楽曲。「このアルバムはシマ唄からポップスに足を踏み入れた作品で自分の歩みを見つめ直すとともに私の原点です」
新録音のカバー5曲のうち、BUMP OF CHICKENの『花の名』は「僕が歌った『花』と同じで、自分は自分のままでいいんだよ…という意味が込められていて、いつかカバーしてみたいと思っていた曲」。ドラマチックなアレンジで歌声がこころに響く。
オープニングを飾る新曲『新しい季節』は切ないバラード。「愛する人とともに生きたいという気持ちを抱えつつも新しい自分へと踏み出す気持ちを歌いました」