拉致被害者救出願う「ブルーリボンバッジ」法廷での着用禁止 国賠提訴へ

 大阪地裁堺支部で争われた民事訴訟で、裁判官が当事者や傍聴人に、北朝鮮による拉致被害者の救出を願う「ブルーリボンバッジ」の着用を法廷内で禁止していたことが10日、分かった。法廷という公的な場所でバッジ着用が認められないのは異例で、バッジを外すよう指示された2人は、表現の自由を認めた憲法に違反すると主張、計260万円の国家賠償を求めて、近く大阪地裁に提訴する。

 バッジの着用は在日韓国人の女性が平成27年、勤務先の不動産会社「フジ住宅」(大阪府岸和田市)で民族差別を受けたとして同社に損害賠償を求めた訴訟の中で禁止された。

 国賠訴訟を起こすのは同社の今井光郎会長(74)と支援者の南木隆治さん(67)。2人の代理人、稲田龍示弁護士によると、30年5月の審理当日、地裁堺支部内でブルーリボンバッジを着けていた南木さんに、職員が裁判官の命令として、「メッセージ性のあるバッジは外すように」と指示。法廷内の秩序維持のための「法廷警察権」と呼ばれる権限に基づいたもので、その後も今年7月の判決まで法廷での着用を認めなかった。

 この訴訟内では、女性側とフジ側の間で別のバッジの着用をめぐるトラブルがあり、地裁堺支部はメッセージ性のあるバッジの着用を全面的に禁止とし、ブルーリボンバッジも対象に含めた。

 今井会長らは「ブルーリボンバッジに政治的な意図などなく、禁止するのはおかしい」と主張。稲田弁護士も、裁判官の判断は国家機関に対し拉致問題解決への尽力を求めると定めた北朝鮮人権侵害対処法にも抵触すると指摘し、「バッジは拉致被害者を救う国民共通の思いの象徴。裁判所が着用を禁じるのは違法かつ違憲だ」としている。

 大阪地裁堺支部は「個別の裁判体の訴訟指揮に関するもので、コメントすることはない」と回答した。

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 ブルーリボンバッジ 北朝鮮にいる拉致被害者と家族を結ぶ「青い空」、さらに祖国・日本と北朝鮮を隔てる「日本海の青」をイメージしたバッジ。NGO「北朝鮮に拉致された日本人を救出する市民ネットワーク」の提案で着用の運動が始まった。被害者の生存と救出を願い、歴代首相や国会議員、一般市民も広く着用する。

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