勝者のワザ
バミューダ選手権で48歳のブライアン・ゲイが7年ぶりのツアー7勝目を挙げた。
最終日最終ホールのバーディーで通算15アンダーパーとしてウィンダム・クラークと並び、プレーオフに持ち込むと、その1ホール目でバーディーを奪っての優勝であった。
USPGAツアーのホームページで177センチ、70キロのゲイは「小柄な選手」と紹介されている。日本ツアーなら恵まれた体格といわれそうだが、180センチ以上の選手が多い米ツアーでは、小柄なのであろう。
ゲイは、72ホール目とプレーオフ1ホール目(ともに18番ホール)で第2打を見事にコントロールしていた。この2打だけでなく、ゲイは大会を通じてアイアンショットは全てコントロールショットを駆使してバーディーチャンスを作り続けた。
正確なアイアンショットを打つために最も大切なのがインパクトで、フェース面がいかにスクエアな状態でボールをとらえるかがポイントになる。これを実現させるための最適練習法がある。 アイアン(ショートアイアンでいい)で、アドレスし、そこから理想のインパクト態勢を作る。右ヒザ、右腰を押し込み、クラブのロフトを立てるようにシャフトを傾け、ハンドファーストの状態にする。このとき、頭の位置は、アドレスのままをキープする。
この態勢を作ってからバックスイングをスタートさせ、インパクト状態に戻してくるという練習方法である。実際にボールを置き、この方法でボールを打つことで、より効果的になる。インパクトでは止められないかもしれないが、短くフォロースルーがでるのは許容範囲としよう。
ボールをターゲット方向に打ち出せるようになる。
手首をこねたり、リストターンのタイミングが早すぎたり、強すぎると、打ち出し方向がずれてしまう。そこで、もうひとつの練習を加えよう。
こちらも、アドレスでインパクト態勢をとるのだが、そこからテークバックなしで、いきなりフォロースルーからフィニッシュまで振り抜く。この方法でボールがターゲット方向に飛び出すようになれば、正しいフェースコントロールを実感できるようになる。
ゲイのアイアンショットには、このエッセンスが確実に注入されている。
■Brian Gay
1971年12月14日生まれ。米テキサス州出身。出身校フロリダ大。米陸軍将校の父親にゴルフを習い、アマチュアとして大学時代から活躍。94年にプロ転向。99年から米ツアーに参戦し、勝ち星に恵まれなかったが、2008年「マヤコバゴルフクラシック」で初優勝。小柄ながら卓越した小技で勝負するタイプ。09年「ベライゾンヘリテージ」では大会記録となる20アンダーで優勝した。米通算5勝。177センチ70キロ。趣味は株、フットボール、バスケットボール。