女子は五輪3大会連続出場中の上田藍(37)=ペリエ・グリーンタワー・ブリヂストン・稲毛インター=が4年ぶり6度目の頂点に立ち、史上最年長優勝を果たした。男子は父がオーストラリア人のニナー・ケンジ(27)=NTT東日本・NTT西日本=が初優勝。新型コロナウイルス感染防止対策として出場選手数を制限し、レース距離は通常の計51・5キロの半分に短縮した。
思惑通りのレース展開で頂点に立った。上田は不得意とするスイムで出遅れず、バイクを先頭集団で駆け抜けた。得意のランは17歳の中嶋千紗都(山梨学院高校・チームケンズ山梨)との一騎打ちになったが、ラスト1周でスパートをかけ一気にゴール。4年ぶり6度目の優勝は、女子では史上最年長Vとなった。
「あっという間の1時間。年齢も半分くらいの選手と競っていたので、(最後は)意地でした」
海外でのレースが今大会の優勝につながった。コロナ禍で国内にとどまる選手が多くいる中、9月に渡欧。感染のリスクを承知でドイツでの世界選手権など3試合に女子ではただ一人出場し、レース勘を養った。
来夏の東京五輪代表を決める選考レースは不透明だが、4大会連続出場は最低限の目標。「しっかりと仕上げてメダルを獲得したい」。37歳が集大成の五輪に向けて大きな一歩を踏み出した。(角かずみ)