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【集中連載:阪神コロナ妄乱の病巣(4)】
大阪市内の私邸で催されたパーティーに参加した3選手が、3月末にプロ野球界初の新型コロナウイルス感染者となった阪神。同じ阪急阪神ホールディングス(HD)傘下の阪急電鉄が運営する宝塚歌劇団では、厳重な感染防止策を講じてもなお、声楽やバレエの講師など外部からの出入りを再開すると、8月にクラスターが発生した。
長期の休演を余儀なくされるとともに、「演劇界にも迷惑をかけた。いろんな興行に迷惑をかけた」。そう神妙に語るのは、角和夫代表取締役会長グループCEO(71)だ。それだけに、阪神がずさんな危機管理を改めることなく、シーズン佳境の9月下旬に再び選手、スタッフらの間で集団感染を起こしたことへの失望は大きかった。
10月に入り、角会長は本紙の直撃に「球団の管理責任があったと言わざるを得ない。何らかのケジメが必要」と一喝。この発言が7日発行紙面に載ると、阪神は2日後の9日に揚塩健治球団社長(60)が12月1日付で辞任すると表明した。
だが、懺悔はしても問題の本質にはメスが入らない体質は相変わらず。「世間に騒がれたから」「親会社に怒られたから」という場当たり対応の人事だった。続いて11日には感染した選手、スタッフおよび会食の同席者の計11人に対し、会食の人数や形式で内規を破ったとして罰金とレポート提出を科したことが発表された。だがこの裁定に球団内部では、「この組織はどこまで腐っているんでしょうね!」などと怒りの声も上がった。