医療事故遺族「外部の指摘受け入れを」 調査制度5年

日大歯学部付属歯科病院が作成した院内調査報告書を見返す死亡男性の妻。疑問点に貼り付けた付箋は数十本に上った=10月29日、東京都内
日大歯学部付属歯科病院が作成した院内調査報告書を見返す死亡男性の妻。疑問点に貼り付けた付箋は数十本に上った=10月29日、東京都内

 5年前に始まった医療事故調査制度をめぐり、全国にある400床以上の大病院の過半数が、調査の起点となる第三者機関への事故報告を1度もしていないことが明らかになった。制度に基づく院内調査は、外部の専門家を交えて事故の状況が分析されれば、真相究明を求める遺族にとって大きな手助けとなる。ただ、調査の目的はあくまで再発防止とされ、訴訟リスクを恐れる病院側が積極的に落ち度を認めることはまれだ。遺族は「病院側が外部の指摘を受け入れなければ、制度は生かされない」と訴える。

 (村嶋和樹)

 「『何度も命を救える機会があった』という外部委員の検証結果を見て、『やっぱりそうだったんだ』と涙が出た」

 平成29年9月、舌がんの転移に伴い日本大歯学部付属歯科病院(東京都千代田区)で切除手術を受け、死亡した男性=当時(76)=の妻と長女は、事故の約10カ月後に院内調査の報告書案を手にした。当初、病院側は書面での回答を拒否したが、弁護士を通じて診療記録の証拠保全手続きを行うなどして得ることができたという。

 報告書によると、男性は手術から約3時間後、呼吸苦などを訴え、その約15分後に当直の歯科医が気道確保のための気管挿管に失敗し、意識を失った。別の歯科医らも気管切開に手間取った末に心停止し、搬送先で死亡が確認された。

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