女子ゴルフの「三菱電機レディス」は30日、埼玉・武蔵丘GC(6585ヤード、パー72)で開幕する。約2カ月間の英米遠征を終え、4カ月ぶりの国内復帰戦となる渋野日向子(21)=サントリー=は29日、18ホールを回って最終調整。今週からの国内5連戦で強いしぶこを復活させ、12月に控える今年最後の海外メジャー「全米女子オープン」に弾みをつける。
◆「うれしい」日本語あいさつ
渋野が帰ってきた。6月下旬の今季初戦以来の国内ツアー。仲間たちに「おかえり」と声をかけられ、「ただいま」と笑顔で答える。そんな何気ないあいさつが心地よかった。
「会う人、会う人に『お帰り』と言ってもらえてうれしかった。日本語を聞くのもうれしい。日本はまだ2試合目だし、今は米国より少し緊張しているかな。まずは予選を通りたい」
◆「正直予想外」米ツアーへの想い
8月上旬に日本を出て、大会連覇を目指しながら105位で予選落ちした「AIG全英女子オープン」などメジャー3試合を含む6試合に出場した。最高は9月の「ポートランド・クラシック」の24位。悩み、苦しみ、もがき続けた。言葉の壁、コロナ禍での制限もあった食事などゴルフ以外にも「メンタルをけっこうやられました」。だが、昨年の全英制覇直後はまったく頭になかった米ツアーへの思いはますます膨らんだ。
「米国で戦うということは多くの人を巻き込むことにもなる。かなりの覚悟でがんばらないといけないと思ったけど、早くリベンジしたい。今まで以上に米ツアーで戦いたいと思うようになったのは正直予想外ですね」
◆12月の「全米女子オープン」見据え
帰国後の2週間の自主隔離期間中は岡山の実家で過ごし、自分を見つめ直した。「最高においしかった」と感激した、ほうれん草のおひたしなど母・伸子さんの手料理に癒され、リフレッシュも完了。視線はすでに今年最後の大一番となる12月の「全米女子オープン」に向いている。
この日は同じ1998年生まれで仲良しの大里桃子と最終調整した。春先に百円ショップで買ったヘビのおもちゃで親友を驚かすなど、おちゃめなしぶこらしさも全開。「米国で吸収したことを取り入れつつ、今まで通りの積極的なプレーをしたい」。実りの秋とするための国内5連戦が始まる。(臼杵孝志)
【大里へのお土産は…】
渋野とインの9ホールをラウンドした大里桃子は「久しぶりに一緒に回って楽しかった」と親友との再会を喜んだ。「でも、何もなかったですね。お土産が…」と苦情も。そのことを伝え聞いた渋野は「忘れていました。すみません。でも、誰にも買ってきてないんです。そんな余裕なかったので…」と苦笑い。「コロナの影響で空港のショップもやっているのかいないのか…。そんな感じです」と弁明に必死だった。