将来を期待されるゴルファーが上々のプロデビューを飾った。アマチュア世界一の実績をひっさげてプロに転向した東北福祉大4年の金谷拓実(22)は、10月15~18日に千葉県紫CCすみれ(7317ヤード、パー70)で開かれた日本オープンで1アンダーの7位。プロ初戦となった日本最高峰に位置づけられる大会でトップ10入りを果たした。
2015年の日本アマ選手権を17歳51日の史上最年少で制し、昨年11月の三井住友VISA太平洋マスターズでは史上4人目となるアマでのツアー優勝も成し遂げた有望株。プロ初戦では豪快なショットや得意のパットだけでなく、ラウンド後のコメントも秀逸だった。
日本オープン開幕前日の14日、金谷は試合会場でアマチュア世界一をたたえる「マコーマックメダル」の授与式に臨んだ。練習ラウンド後の会見で、日本人初受賞を果たした貴重なメダルの保管場所を聞かれると「広島の実家で大切に保管したい。今住んでいる(東北福祉大ゴルフ部の)寮だと危ないんで」。ゴルフ部主将の唐突なジョークは、報道陣を笑いに包んだ。
悪天候に見舞われた初日の15日は2オーバーの48位。プロ初ラウンドの心境を聞かれても「あまり実感はなく、いつも通り試合に入った」とさらり。1番ホールのティーグラウンドに立った際の気持ちを尋ねられても「いつも通り、ティーショットがまっすぐに飛んでほしいな、と」。一方で「雨予報は知っていて、それに向けて準備していた」「いつも初日が苦手。自分なりにいろいろ考えるが、なかなかうまくいかない」と、スコアの伸び悩みを気象条件のせいにすることはなかった。
2日目は盛り返し、19位に浮上。改めて初日が苦手な理由を尋ねられると「寝起きが悪いからですかね」と冗談で返した後、「やっぱり慣れていないことが大きい。初めてのコースが多く、雰囲気や芝質も(慣れていない)。最終日になるにつれていいプレーができることは結構あります」。コースの感触さえつかめれば攻略できるとの自信をにじませた。