今年のノーベル平和賞 コロナ禍での「自国第一主義」を牽制

WFPへのノーベル平和賞授与を発表するノーベル賞委員会のレイスアンデルセン委員長=9日、オスロ(ロイター)
WFPへのノーベル平和賞授与を発表するノーベル賞委員会のレイスアンデルセン委員長=9日、オスロ(ロイター)

 【ロンドン=板東和正】世界各地で食料支援を行う国連機関、世界食糧計画(WFP)が9日、ノーベル平和賞を受賞した。ノルウェーのノーベル賞委員会は多国間主義に基づくWFPの努力を評価することで、新型コロナウイルス禍で後退している国際協調を促し、「自国第一主義」を牽制(けんせい)したとみられている。

 「新型コロナの流行により世界で飢餓に苦しむ人が急増した。国際的な結束と多国間協力の必要性はこれまで以上に顕著になっている」

 ノーベル賞委員会のレイスアンデルセン委員長は9日の記者会見で、WFPへの平和賞授与の意義についてこう述べた。

 WFPの試算によると、新型コロナによる世界的な景気後退などの影響で食料不足が加速し、今年末までに昨年の2倍近い2億6500万人が飢餓状態に陥る恐れがある。レイスアンデルセン氏は会見で、WFPへの資金拠出を減らさないよう国際社会に呼びかけた。WFPの活動資金は大半を各国政府の拠出などに依存しており、過去に資金不足からシリア難民への食料支援の中断に追い込まれたことがあるためだ。

 レイスアンデルセン氏が国際機関への支援を強調したのは、「最近、多国間主義が尊重されていない」(同氏)との危機感が広がっているためだ。

 トランプ米政権は2018年8月、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金拠出を中止すると発表した。トランプ政権による国際機関軽視の動きは続いており、米国は世界保健機関(WHO)を来年7月に脱退する方針を正式に通知した。

 米国やロシアは、WHOが主導する新型コロナのワクチンを共同購入する国際的枠組み「COVAX(コバックス)」にも参加していない。先進国のワクチン争奪戦を防ぎ、途上国に行き渡らせるための枠組みだ。中国は今月8日付で正式に参加したものの、ワクチン開発で先行する米露の不参加で効果が薄れる恐れが懸念されている。

 AP通信は9日、新型コロナの流行下で各国が一段と「独りよがり」になっているとした上で、WFPの平和賞受賞は「国際協力への飢え」を示す機会になったとの見方を示した。

 欧州連合(EU)のミシェル大統領は同日、自身のツイッターで「(受賞は)多国間主義の重要性を再認識させた」とした。国連のグテレス事務総長も受賞を受けて声明を発表し、新型コロナの流行などに対応するため、各国の結束を呼びかけた。

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