ケリー被告初公判詳報

(5)日産側「ひたすらゴーン被告の私的利益」「甚大な損害」

初公判のため東京地裁に入る日産自動車元代表取締役のグレゴリー・ケリー被告=15日午前、東京都千代田区(代表撮影)
初公判のため東京地裁に入る日産自動車元代表取締役のグレゴリー・ケリー被告=15日午前、東京都千代田区(代表撮影)

《金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪に問われた日産自動車元代表取締役、グレゴリー・ケリー被告(64)と法人としての日産の初公判。検察側の冒頭陳述に続き、今度は日産側の弁護人による冒頭陳述が始まった。日産側は冒頭、起訴内容を認めている》

日産の弁護人「本件は、(日産自動車元会長、カルロス・)ゴーン被告の私的利益の実現を目的とした犯行であり、金融商品取引法の虚偽有価証券報告書提出罪が、本来想定している企業価値を偽る粉飾決算などのような、企業組織自体の不正な利益を目的として行った犯罪ではない」

日産の弁護人「日産の企業利益の追求とはおよそ無関係で、本件が発覚した際に日産が被る甚大な不利益を一切、顧みることなく、ひたすらゴーンの私的利益を確保するべく行われた典型的な経営者不正の事案である」

《日産側の弁護人は、日産の量刑を判断するための着眼点として、ゴーン被告とケリー被告の犯行動機について、日産の利益を図ることを目的としているのではなく、いずれもゴーン被告個人に不正な利益を与えるものであると主張する》

日産の弁護人「報酬金額を偽り、過少に記載することで(日産が)得られる利益はなく、本件各犯行の動機となり得る事情はおよそ存在しない」

《日産側の弁護人は、ゴーン被告は、自己の報酬額が「過大である」と、国内外から批判されることを強く懸念しており、犯行の動機が存在していたと指摘。これに対し、日産は利益を得ておらず、むしろ甚大な損害を被ったと強調する》

日産の弁護人「日産にはゴーン被告の役員報酬額の一部隠蔽による不正な利益は一切、帰属していない。一方で、日産には極めて甚大な損害が生じている」

《日産側の弁護人は、ゴーン被告の違法行為が海外まで報道され、企業イメージが大きく損なわれたことや、監督官庁である金融庁から行政処分を受けたこと、多額の経済的損失を被ったことを強調していく》

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