災害が起きるたび…きっとどこかで 地域メディアの熱き奮闘

熊本豪雨の際、人吉市内の避難所で配布された「人吉新聞」。毎日、編集局員らが避難所まで届け、被災者の情報源となった=今年7月
熊本豪雨の際、人吉市内の避難所で配布された「人吉新聞」。毎日、編集局員らが避難所まで届け、被災者の情報源となった=今年7月

【東日本大震災から9年半 忘れない、立ち止まらない】

 がぜん親近感がわいた。そしてこの災害列島において、地域に根差したメディアがあることの意義というものを再確認する、よい機会を与えてもらったと思った。

 7月の豪雨被害に見舞われた、熊本県人吉市などを発行エリアとする地元紙「人吉新聞」の奮戦について、同月15日付の産経新聞が伝えていた。社員総出で避難所に新聞を配り、被災者に必要な情報を届けていたという。

 人吉市と球磨郡(錦町、あさぎり町、多良木町、湯前町、水上村、相良村、五木村、山江村、球磨村)を主な発行エリアとする同紙は、タブロイド判の夕刊紙。10市町の人口合わせて約10万人という小さな地域で、郷土の発展を目指し、郷土とともに歩んでいこうという気概をにじませている点に、しみじみと共感を覚えた。

 記事を読み進めるうち、同紙の創刊年を見て驚いた。小紙(東海新報)と同じ昭和33(1958)年。発行部数も約1万3500部とほぼ一緒だ。

 「印刷機能を持つ社屋こそ災害の難を逃れたが、多くの社員が被災した」という点まで同じで、東日本大震災当時の小社を二重写しに見るような不思議な心地がした。

 多くの店が被災し、まちの機能が停止状態に陥った中、社員が施設1軒1軒を歩いて回り、営業状況を確認して…地元の情報源としての役割を果たそうと奔走する人吉新聞の人々の姿まで、目の前に浮かぶようであった。

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