「4月は売上高が前年比27%。8月もまだ前年の8割ぐらい」と鈴木さん。コロナ禍で改修工事も当初より2カ月ほど遅れ、全ての工事が終わったのは7月1日のことだ。
今はコロナ感染防止で客室を満室にせず、食事も部屋か宴会場を仕切った個室でとってもらうようにしている。国の観光支援事業「Go To トラベル」に参加するための対策もとった。ただ、同事業に登録した県内の旅館でクラスター(感染者集団)が発生したこともあり、万が一、自分の旅館で集団感染が起きたらという不安は消えない。
鈴木さんは「昨年の台風禍では行政からの情報がない上、小出しにしか出てこないから、状況が変わるたびに一から自分で調べないといけなかった。コロナも同じ」と話し、こう語気を強める。
「台風などの自然災害で被害が出るのはしようがない。でも復旧や復興をスムーズにするため、情報発信や相談などはワンストップで対応してほしい」(永田岳彦)