台風が直撃した鹿児島・奄美大島では6日、正午ごろから猛烈な風が吹き荒れた。午後2時ごろには弱まったが、道路には折れた街路樹の枝が散乱し、暴風の威力を物語っていた。
島北部の同県龍郷町の看護師(53)は母と夫、2人の息子と島内のホテルへ避難。過去の台風では家の屋根が飛ぶ被害に遭ったといい「今回も家が心配だけれど、命の方が大事」。
九州各地では不安をにじませる住民の姿が見られた。鹿児島市の繁華街・天文館では多くの店舗が出入り口に土のうを積み、窓ガラスに補強用のテープを貼るなどの対策に追われた。
飲食店は新型コロナウイルス禍で売り上げが落ち込んでおり、台風被害での「追い打ち」を心配する声も。すし屋を営む男性(67)は「水害などで営業できなくなれば、閉店に追い込まれる店が多く出てしまう」と表情を曇らせた。