農業女子が支援組織設立 農地や販売先の確保の助けに - イザ!

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農業女子が支援組織設立 農地や販売先の確保の助けに

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 農業経験もなく、農家出身でもない若い世代が経営を軌道に乗せるための支援組織「クール・ファーマーズ・ウェスト」が6月、関西に発足した。設立にあたって中心となったのは、大阪府東大阪市で都市農業を始めたり、就農準備したりしている女性たち。新規就農者が自立するため、知恵と力を出し合って、農地や販売先の確保しようという試みだ。人口減少や高齢化で担い手が不足する農業。行政や地元農業関係者もその取り組みを後押ししている。  

(西川博明)

都市農業に挑戦

 「減農薬、露地栽培で行っているため、今年の夏の長雨のような異常気象で思うように収穫できないと、苦労を感じることもあります。でも、これからもおいしさと安全にこだわって農業を続けたい」

 昨年7月から東大阪市内で農地を借りて農業を行っている瀬利(せり)由貴乃さん(25)は同市のJAグリーン大阪の農産物直売所の一画に置かれた、ラベルに自分の名前が記された長ネギを手にしながら話した。

 農業とは縁のない、サラリーマン家庭で育ったが、5年前、京都外国語大2年だった春休みに祖父母が暮らす鹿児島県奄美諸島の沖永良部(おきのえらぶ)島を訪れた際、初めて国産バナナを食べて心を動かされた。甘くてリンゴの香りを感じた。「この感動を多くの人と共有したい」と農業を志した。

 東大阪市役所の紹介で市内の農家に農業を学ぶ機会を得た後、フランス留学して複数の農業現場で経験を積んだうえで昨年、市内に農地を借りた。

 東大阪市の農地面積は市面積の4%だが、大阪や京都などの大都市商業圏に新鮮な野菜を届けられる都市農業特有のメリットが魅力だった。また、市の担当課職員らが「就農のお手伝いをする」と応援してくれるのも大きな理由という。

たちはだかる壁

 農林水産省によると、新たに農業経営に参入した人は、平成21年に1850人だったのが、26年には3660人と増加、その後も3千人を超えるペースで推移している。一方、全国農業会議所が平成28年に行った新規参入者への実態調査では、就農時に苦労した点は「農地の確保」「資金の確保」「営農技術の習得」の順に割合が高かった。新規参入者は条件の良い土地を十分な面積で集めることに苦労。また、1年目に必要とした費用の平均は569万円で、うち機械・施設などの費用は411万円にのぼっている。

 「私のような非農家出身者が農業に関するさまざまな悩みを共有し、解決に向けて相談できて、さらに農産物を売る場も作ることができたら」。瀬利さんは今年6月、同市のイチゴ農園で働きながら就農準備をしている元パティシエの森千草さん(35)らとともに就農者の自立を支援するクール・ファーマーズ・ウェストを設立した。

 京都市内のシイタケ農家、大阪府内で流通業に携わる支援者ら計8人が参加。新型コロナウイルスの影響で現在は会合の開催を控えているが、将来的には共同販売するマルシェを企画したりすることなどを想定している。

行政も支援

 「大阪で観光農園を作りたい」。元パティシエの森さんは現在、就農準備のため、イチゴ農園の「川浦農園」で働きながら、農作業のイロハを学んでいる。

 「イチゴを食べるのも見るのも好き。一から育てることに魅力がある」と、昨年末、就農を決意した。知人のつてを頼りに森さんが訪ねたのが市内で代々、農家を営む同園の川浦慎太郎代表(38)だった。農業経験を積むため、苗の育成などを担当している。

 「これから本当に農家になれるのか」。不安がよぎることもある。しかし「収穫したイチゴなどを加工して洋菓子を提供したり、来園者に収穫体験していただいたりして、幸せを感じられるような農園が実現できれば」という夢が森さんの背中を押す。農園の川浦代表も「私も農家でない人が就農する方法を知らなかった。森さんと一緒にベストの方法を考えているところです」と見守る。

 東大阪市はクール・ファーマーズ・ウェストの運営を支えるため、現在も参加者の募集など事務作業を手伝う。市では農家の高齢化が進み、農業の担い手不足が深刻化しているものの、「非農家出身の新規就農者の受け皿が少ない」(農政課)という課題を抱えるからだ。

 瀬利さんたちは大阪だけでなく、京都府や兵庫県の都市部で農業に挑む非農家の新規就農者や支援者らにも参加を呼びかけ、都市農業の振興に挑もうとしている。東大阪市もそんな瀬利さんたちが農地や、売り上げを継続して確保していけるよう、支援を惜しまない考えだ。

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