文科省は20年度から、学位が授与される正規の教育課程で日本語で授業を行う場合、留学生は日本語能力試験で難易度が5段階中、2番目に難しい「N2」レベル相当以上が目安としている。
当時はこの目安は設けられていなかったが、大月氏は「自前で日本語能力テストを実施すると、どうみても『N2』能力のない生徒が半分近くいることが分かった」と振り返る。
大月氏は留学生の在籍管理などのフォローについても、「本来、ゼミの教員など教学側が把握すべきだが、事務方が一括して教学側に情報をあげていなかった時期もある。特定の科目のみを履修する科目等履修生も、正規の学生といっしょくたにしていた」と指摘する。
大月氏は「高校の先生や生徒、保護者らも含めて地元の人はこうした状況をよく見ている。いま在籍している学生たちもたまったものではないだろう」と憂える。
これに対し、札幌国際大の事務局担当者は、「日本語留学試験や日本語能力試験を受けられなかった学生も、救済の意味で本学の独自の筆記試験と入学の面接試験、書類選考を行ったうえで入学させた」と説明。在籍管理についても「徹底している」と強調した。