照ノ富士、1敗対決制す 意地の右四つ 大相撲7月場所

照ノ富士(右)が寄り切りで朝乃山に勝利=両国国技館(佐藤徳昭撮影)
照ノ富士(右)が寄り切りで朝乃山に勝利=両国国技館(佐藤徳昭撮影)

 大相撲7月場所13日目は31日、両国国技館で行われ、元大関の平幕照ノ富士が新大関朝乃山を寄り切りで破った。

 優勝の行方を大きく左右する大一番。「新旧大関決戦」は先輩の力と技術が上回った。

 当たってすぐに右四つになった。照ノ富士は先に上手を許したが、落ち着いていた。前に圧力をかけると、焦った朝乃山が強引に右からすくい投げ。この際に朝乃山の上手が切れた。照ノ富士は右でかいなを返し、左上手も奪取。相手の下手投げを余裕をもってこらえ、寄り切った。

 朝乃山の代名詞とされる右四つだが、照ノ富士もこの形になれば力を発揮する。28歳の元大関は武器を貪欲に磨き上げてきた。

 今年3月の春場所前には、出稽古先で朝乃山に遭遇。まだ十両だった照ノ富士は当時関脇の朝乃山を稽古相手に指名し、何番も相撲を取った。「右四つに組んで力を出してくれる人はあまりいない。自分の稽古相手になると思って」。時に偉そうに見えるほどのがむしゃらな向上心が、この人の強さを支えている。

 この日、土俵下で審判長を務めた師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「自分の相撲が取れている」と弟子をたたえ、優勝については「可能性が出てきた」と控えめに言った。14日目に正代に勝ち、朝乃山が照強に敗れれば、その時点で2度目の優勝が決まる。

 1敗を守り、息荒く引き揚げたインタビュールームで、照ノ富士は「一生懸命やってきてよかった」と語った。ただ余韻に浸ったのはそれぐらい。あとは「2日あるので」と繰り返した。焦がれた5年ぶりの賜杯が目の前に迫っている。

(浜田慎太郎)

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