久大線では、ほかにもトンネルや線路への土砂の流入などが相次ぎ、145件の被害が出た。日田-向之原(むかいのはる)間の約80キロで復旧のめどが立っていないという。久大線は平成29年の九州北部豪雨でも同県日田市内の鉄橋が流失。復旧工事は順調に進んだものの、全線再開までには1年を要した。
沿線には観光地として知られる由布院温泉や湯平温泉があり、観光列車「ゆふいんの森」もこの路線を通る。由布院から東側の路線は無事だった3年前の豪雨被害とは違い、今回は東西ともに寸断した。ゆふいんの森は、新型コロナウイルスの影響で休止していた運行が6月に再開された直後の被害。沿線の住民は観光への影響を懸念する。
温泉街で土産物店を営む金子尚美さん(64)は「コロナが明けて客足が戻ると期待していたが、またかという思い。温泉街にとっては大きな痛手です」と肩を落とした。