九州の鉄道復旧めど立たず 豪雨2週間 

デザイン車両も浸水

 また、人吉・球磨地方を走り、地元住民らに親しまれる「くま川鉄道」(くま鉄)も橋が流されるなど大きな被害を受けた。くま鉄は、国鉄(現JR)湯前(ゆのまえ)線の廃線を受け、平成元年10月に人吉市と球磨郡の9町村などからなる第3セクター「くま川鉄道」が運行を引き継ぐ形で開業した。

 全長24・8キロで、人吉温泉(人吉市)-湯前間(湯前町)を結ぶ。利用客のうち高校生が8割を占めるなど、通学の足としても定着している。しかし、4日の球磨川の氾濫で、球磨川と川辺川の合流地点付近にある橋梁が流されたり、駅に土砂が押し寄せたりするなど大きな被害を受けた。

 このほか、鉄道の車両デザインで知られる水戸岡(みとおか)鋭治氏が季節をテーマにした車両5両もエンジン部分が浸水。森山照信・鉄道部長は「ここまでひどい被害は経験したことがない」と話す。現在は、バスによる代替輸送を県と協議しているが、復旧まで何年かかるか全く見通せない状況だ。

 被害額も高額になることが予想され、同社はホームページで、寄付を募り始めた。森山部長は「運行の継続なども含め、今後については地元自治体とも相談していきたい」と話した。

3年前の豪雨でも被害

 九州を広範囲に襲った豪雨では、福岡県と大分県を結ぶJR(きゅうだい)線でも、大分県九重町の豊後中村駅の東約350メートルにかかる鉄橋が流された。近くに住む女性(76)は「石が川を転がり、雷のような轟音がしていた。家から避難した2時間ほどの間に橋がなくなっていた」と驚く。

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