【ニューヨーク4日(日本時間5日)=竹濱江利子通信員】米大リーグ、ヤンキースの田中将大投手(31)はキャンプ再開初日に本拠地ニューヨークで対戦形式の練習に登板し、頭部に打球を受けた。ジアンカルロ・スタントン外野手(30)のライナーが右側頭部付近を直撃。精密検査の結果、異常はなかったが、今月下旬の開幕からのローテーション入りが危ぶまれる事態になった。
衝撃が走った。対戦形式の練習でヤンキースタジアムのマウンドに立った田中を、スタントンの強烈なライナーが襲う。グラブを差し出すが、打球は右側頭部を直撃。その場に倒れ込み、周囲は騒然となった。
球場で流れていた音楽を止めるなど、練習は一時中断。約5分間、倒れた状態が続いたが、スタッフに両脇を支えられながら自らの足でベンチ裏へ下がった。
開幕ピンチだ。CTなど複数の検査で骨や脳に異常は見つからず、入院しなかった。ただ、脳振盪(しんとう)のような症状があったため、復帰はリーグの規定に基づくことになり、調整遅れは必至。昨季まで6年連続で2桁勝利を挙げ、7月下旬に開幕する今季も先発枠の一人として期待されていたが、出遅れる可能性が出てきた。
幸い、田中は会話ができる状態で意識もはっきりしている。自身のツイッターとインスタグラムを更新し「ご心配をおかけしております。患部に痛みはありますが、それ以外は元気です。できるだけ早くまた、マウンドに上がれるように頑張っていきたいと思います」と現状を報告。ブーン監督は「今は症状も回復に向かっている」と明かした。
ヤ軍は他球団よりも1日遅れでキャンプを再開した。田中は主力打者のトーレス、ジャッジらを相手に登板。ノーワインドアップから、ワインドアップに変えた新しい投球フォームを披露するなど順調に進んでいた。スタントンは4人目の打者だった。
今後は復帰のガイドラインに従って練習を再開する予定だが、具体的なスケジュールは未定。ヤ軍と7年契約の最終年を迎えたメジャー通算75勝右腕。開幕への調整が遅れることは避けられない。