新型コロナウイルス感染の疑いがある救急患者に対し、大阪府が簡易検査で感染の有無を確認して搬送先を振り分ける「トリアージ(選別)病院」を近く本格運用する方向で調整していることが26日、分かった。府関係者によると、すでに大阪市内などで試験的に実施しており、府内全域をカバーする8つの「医療圏」での運用を目指す。
トリアージ病院は発熱や肺炎の症状があり、感染の有無が分からない患者を搬送する際、院内感染のリスクを懸念する病院に受け入れを拒否され「たらい回し」になる事態を避け、症状の悪化を防ぐのが狙い。
5カ所以上の病院が受け入れを拒否した患者は、トリアージ病院にいったん搬送。2~3時間以内で結果が出る簡易検査「LAMP(ランプ)法」で感染の有無を確認し、陽性の場合は新型コロナ患者の受け入れ態勢が整っている病院へ、陰性の場合は一般の病院へと振り分ける。
糖尿病などの基礎疾患がある人や高齢者、妊婦など、新型コロナに感染すれば重症化する恐れがある患者については、発熱などの症状があってもトリアージ病院ではなく、救急病院に搬送し治療。脳梗塞など重篤な症状を併発した場合も同様という。