足利市長の名前、配布マスクに明記 栃木県選管「望ましくない」  

布製マスクに添付された「足利市長より」と記載されたメッセージ
布製マスクに添付された「足利市長より」と記載されたメッセージ

 新型コロナウイルス対策として栃木県足利市が市民に配布したマスクに、和泉聡市長の名前が記載されたメッセージが添付されていたことが21日、分かった。県選挙管理委員会はこうした配布について、公職選挙法で禁じられている有権者への寄付行為には当たらないものの「望ましくない」としている。

 同市は市内企業に作成依頼した布製マスクを妊婦1500人に各3枚、全小中学生1万人に各2枚の計約2万5千枚配布した。総事業費は700万円。妊婦向けのメッセージには「足利市長 和泉聡」と氏名が明記された。小中学生向けには氏名がなく「足利市長より」とだけ記載され、市長選でも利用した市長の似顔絵が添えられている。

 公選法では、政治家が役職員、構成員である団体や会社などの関係団体が、選挙区内で政治家の氏名を表示するか、氏名が類推されるような方法で寄付することを禁じている。この関係団体に地方自治体は含まれないが、県選管は今回のように氏名が明記された配布は「法の趣旨に照らして望ましくない」と指摘。一方で、「足利市長より」とするにとどめている場合は、公選法上、問題がないという。

 この日、市議会はマスク配布を問題視し、全員協議会を開いて和泉市長らから事情を聴いた。複数の市議から「1年後の市長選を意識した売名行為とも受け取られかねない」「疑問や誤解が持たれないよう庁内で慎重にチェックすべきだった」などの意見が相次いだ。

 中学2年生の子供にマスクが配られたという市内の自営業男性(47)は産経新聞の取材に「市長からのプレゼントと思った」と話した。

 和泉市長は「自治体の事業として行ったもので、売名行為を意図してはいない。ただ誤解を与えているなら、今後、十分に注意したい」と答えた。(川岸等)

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