大規模洪水で3割の感染症指定医療機関が浸水 京大調査

 新型コロナウイルスなどの感染症医療を担う全国372カ所の感染症指定医療機関のうち34%が、千年に1度の大規模洪水が発生した際に浸水する可能性があるという調査結果を、京都大防災研究所の角(すみ)哲也教授(河川工学)らの研究グループが27日、発表した。

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、水害の発生も重なれば「複合災害」となる恐れがあることから、医療機関におけるリスクを明らかにし、洪水時の対策に活用してもらうのがねらい。全国に372ある感染症指定医療機関を対象に、災害リスク情報を地図上にまとめた国土地理院の「重ねるハザードマップ」などを用いて調査を行った。

 調査の結果、河川整備を計画する際の基準となる100~200年に1度の洪水では、95の病院に浸水の恐れがあると予測。そのうち50の病院では1階が水没する2~3メートル以上、エボラ出血熱やペストの治療もする第1種感染症指定医療機関の鳥取県立厚生病院(倉吉市)など11の病院では3階に水が迫る5メートル以上も浸水するとされた。

 また、想定される最大規模である千年に1度の洪水では125の病院が浸水し、岐阜県立多治見病院(多治見市)では浸水が10メートル以上になると見込まれている。

 浸水への対策としては、感染症病床や非常用電源を上層階に設置するほか、電気回路の防水化などを提案。新型コロナウイルスの流行がピークを過ぎた段階で行政が病院と連携し、避難先の確保や上流ダムの事前放流などの対策を進めるべきだと指摘した。

 角教授は「感染症病床は通常と異なる設備が必要なため、避難先や避難経路を確保するのが難しい。行政は医療機関にどのような支援や対策ができるか、出水期へ向け余裕を持って考えてほしい」としている。

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