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「恋人の聖地」に認定されている松山自動車道伊予灘サービスエリア(SA)で、多くのカップルが愛を誓って南京錠を取り付けた「ハートロックフェンス」が撤去され、約9カ月が過ぎた。管理する西日本高速道路は「希望者には返却する」として保存しているものの、返却件数は7件にとどまっている。
消えない愛
松山市にある同社愛媛高速道路事務所。コンテナボックスの中には大量の南京錠が保管されている。
「大変なときもあると思うけど 一緒ならがんばれる これからもよろしくな」
「結婚します 一生一緒にいてください」
「何があっても離れません 誰よりも幸せになる」
「ずーと一緒 大大大好き」
南京錠はさびているが、文字が消えないまま残っているものも多い。中には毎年1個ずつ同じ針金の輪に取り付け、計12個の南京錠が連なったものもあった。「2018・7・8~9 道後、内子、大洲旅行記念 大雨で大変な日でした。ずっと二人でいつも一緒」と、平成30年7月の西日本豪雨のころに取り付けたと思われる南京錠もあった。
重すぎた愛
これら南京錠がもともと取り付けられていた同SAは愛媛県伊予市にある。瀬戸内海や道後平野を一望でき、美しくロマンチックな景観を楽しめることから、平成20年、NPO法人「地域活性化支援センター」が恋人の聖地に認定。これを受けて同社は、上下線のSAに南京錠(ハートロック)を取り付ける専用のフェンスを設置した。
フェンスは高さ1・5メートル、横2メートル。上り線に12枚、下り線に3枚。設置以降多くの恋人たちが訪れ、取り付けられた南京錠は計約7千個にも上った。
しかし、たくさんの南京錠が取り付けられた結果、重くなりすぎてしまった。フェンスが倒壊する恐れも出てきたため、同社は昨年6月末にフェンスを撤去したのだ。