【有本香の以読制毒】
「何かをやれって言われたときに、『できません』という人間って、一番使えない人間なんですよ! どんな社会でも」
朝っぱらから、威勢のいい根性論が聞こえてきた。まるで居酒屋あたりで聞こえてくるオヤジの説教のような長ゼリフは、さらに続いた。
「『これがあるんでできません』『これがあるんでできません』…。じゃあ、お前もういいと(=手を降って要らないという仕草)。やっぱり有能な人間というのは『これをやりなさい』と言われたら、障害があったとしても、何らかの方法でそれを突破して実現するんですね。検査に関して言えば、今そういうことです」
検査? 一体何のことかとテレビ画面を見ると、声の主は、テレビ朝日の社員コメンテーター、玉川徹氏であった。同局朝の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」(1日)での一幕だ。
玉川氏の発言の最後に出てきた「検査」とは、先月来、氏がご執心の新型コロナウイルスのPCR検査のことである。
2月以降、「モーニングショー」で連日繰り広げられた「PCR検査しろ、しろ」攻撃はすさまじかった。
「なぜ、日本は希望者全員にPCR検査をやらないのか」「国は感染者数を低く抑えたい、実態を隠したい意図でもあるのではないか」