死への虐待、4歳児最後の願い「ママ、お茶が飲みたい」

 「ママ、気持ち悪い。お茶が飲みたい」。死の間際に発した最後のSOSはどこにも届かなかった。3年前のクリスマス、大阪府箕面市で4歳の男の子が家族から執拗(しつよう)な暴行を受け、死亡した事件。痛ましい虐待は、母子3人と1カ月半前から同居を始めた元交際相手の男、そしてその知人という、奇妙な「5人暮らし」の中で起きた。起訴内容を否認した母親(28)に言い渡されたのは懲役9年の実刑判決。しつけと称した暴力、あおり、アザだらけの子供の写真。大阪地裁の裁判員裁判で、母親の信じがたい身勝手さが明らかにされた。

同居男は「パパ」「にい」

 事件では、母親の筒井麻衣被告と元交際相手の男A、その知人の男Bの3人が傷害致死などの罪で起訴された。

 長男の筒井歩夢(あゆむ)ちゃんに致命傷となる暴力をふるったのはAとBだ。しかし男らは「(被告の)指示があった」と主張。「止めようとしていた」と訴える被告と真っ向から対立した。

 起訴内容を認めた男2人はすでに懲役10年が確定し、被告の裁判は単独で行われた。

 事件の経緯を証言などから振り返ってみる。

 歩夢ちゃんと、その弟をシングルマザーとして育てていた被告は、事件2カ月前の平成29年10月、出会い系アプリでAと知り合う。

 もともと仕事上のトラブルを抱えていたA。同僚であり、弟分のBとともに同年11月中旬、会社を辞めて被告宅に転がり込み、5人での同居が始まった。

 Aを「パパ」、Bを「にい」と呼び、すぐになついた子供たち。Aも一緒におもちゃで遊んだり風呂に入れたりするなど世話を焼き、Bは食事づくりを担当した。「あのころは楽しかった」。証人として出廷したAは懐かしむように振り返った。

「しばいて。ウチのやり方や」

 ただ虐待はすでに始まっていた。

 Aによると、しつけと称して子供にたびたび暴力をふるっていたという被告。Aらに暴行を促すこともあったが、さすがに抵抗があり、この時は手を出さなかったという。

 だが12月に入り、潮目が変わる。

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