豚コレラ「ワクチンベルト」県境で構築 栃木・日光で20日に空中散布

 家畜伝染病「豚コレラ(CSF)」の感染拡大の防止に向け、栃木県は18日、全市町と畜産関連団体などを集めた対策協議会を設けた。初会合では、野生イノシシの感染が判明した群馬との県境付近に、年明けから経口ワクチン入りの餌を散布する計画について説明。それに先立ち今月20日、日光市で空中散布が行われる。

 空中散布は、国が自衛隊のヘリコプターを使って行う。取水口やイヌワシの生息地などは避けながら、国有林約5千ヘクタールに2500個の餌を散布。豚コレラの発生地域を囲い込む「ワクチンベルト」を築く計画だ。

 一方、県による散布は、農政部畜産振興課に設けた家畜防疫班が来年1月に始める。まず感染イノシシが見付かった群馬県に近い県南部から始め、南西部の県境付近へ広げる。費用の大半は国費が充てられる。

 散布するのは液体ワクチンを詰めたトウモロコシのクッキー状の餌で、イノシシが好むやぶなどの土中に、1平方キロメートル当たり20個を埋める。散布の1週間後に餌が実際に食べられたかを確認し、10日後以降にイノシシを捕獲して豚コレラ抗体の保有率を検査する。

 実施に向け、対象の8市町(足利、栃木、佐野、鹿沼、日光、小山、壬生、野木)と県は、散布の効果が高いとみられるイノシシの生息地域を検討する。

 経口ワクチンの散布は、これまでに群馬、埼玉、富山、石川、福井、長野、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀の11県で、県職員らが手作業で地中に埋めてきた。

 散布地域は今後、茨城、東京、神奈川、新潟、山梨、京都も新たに加える方向。国は栃木以外での空中散布も検討している。

 県はさらなる対策強化へ向け、感染が起きていない地域にも養豚場の豚へのワクチン接種を広げるよう国に要望している。

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