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ポスティングシステムで米大リーグ移籍を目指していたDeNA・筒香嘉智外野手(28)が、レイズと合意した。2年契約で総額1200万ドル(約13億2000万円、譲渡金含む)。まずは夢の入り口である。
日本人の大リーガーは村上雅則さん(1964年)から数えて59人目。過去、野茂英雄さん(ドジャーズなど)や現役のダルビッシュ(カブス)、田中将大(ヤンキース)ら投手の成功例に比べ、打者は松井秀喜さん(ヤンキースなど)、大谷翔平(エンゼルス)ら数少ない。パワー不足が指摘されるが、筒香はやってくれる予感である。
「デカッ。会うたびにガッシリしてくるわ」
前DeNA監督・中畑清さんは球場に足を運ぶたびにこう言った。筒香の育ての親を自認、その成長ぶりに目を細めた。そのデカさ、松井さん、大谷級。見栄えする超メジャー体格である。
周到な準備もあったと聞く。2015年オフ、ドミニカ共和国のウインターリーグに参加した。現役メジャー選手とも交流、野球を楽しむ姿と貪欲さとスキルの高さを見た。当時、筒香がこんな言葉を残していた。
「向こうの投手は打者の手元でボールが微妙に動く。前で打ちにいったらゴロになる。ボールを手元まで呼び込んで、逆方向に強い打球を打つ。この技術を習得する」
直後から大リーグ仕様の打法改造に取り組んだ。幼き頃から抱いていた夢が確信的な目標設定に変わった。改造前の15年、左方向への本塁打は「0本」だったのが、16年は44本塁打中「11本」…。今季は29本塁打に終わったが、中堅より左方向は11本…。パワー広角打法は進化した。