関東北部を震源とする地震が、今月に入り計14回も起きている。専門家が注目するのが震源の浅い地震が多いことだ。津波など大きな被害をもたらす「アウターライズ地震」が発生してもおかしくないと指摘、南海トラフ巨大地震や首都直下地震に続く「第3の脅威」に警鐘を鳴らす。
茨城県や栃木県を震源として今月1日以降、頻発している地震で、マグニチュード(M)4以上が5回。震度4を3回記録した。
茨城県南部で発生した3回の地震は震源の深さが50~60キロだったが、それ以外は深さ10キロ程度と浅いところで起きているという特徴がある。
浅い震源の地震について「太平洋プレートが北アメリカプレートに引っ張られて断層が形成された際に起きたものではないか」と分析するのは、立命館大学環太平洋文明研究センター教授の高橋学氏。
別図のように、太平洋プレートは海側、北アメリカプレートは北海道や東北地方を含む陸側にあり、日本海溝が境目となっている。太平洋プレートが活発な動きを見せる場合、「アウターライズ地震に気を付けなければならない」と高橋氏は語る。
2011年3月に発生した東日本大震災は、太平洋プレートが、北アメリカプレートの下に潜り込むことによって起こった海溝型地震とされる。
一方、アウターライズ地震は、太平洋プレートが潜り込む際に割れることで発生する。揺れは小さくても海底の変動が大きく、津波が巨大化しやすい特徴があり、東日本大震災の影響で発生リスクが高まっているという。