昨年7月の西日本豪雨から約1年3カ月ぶりに全線の運転が再開されたJR芸備線。沿線各地では記念式典が行われ、JR西日本の観光列車「○○のはなし」の車両を用いた特別列車も運行された。
JR広島駅(広島市南区)で行われた記念式典では、松井一実市長が「芸北と瀬戸内をつなぐおもてなしルートになってほしい」とあいさつ。備後庄原駅(広島県庄原市)行きの特別列車が同駅を出発した。
単線区間を運行する際に駅長から運転士に交付される通票(タブレット)が松井市長に渡され、安芸高田、三次、庄原の沿線各市長にリレーされていった。各駅では児童や住民らが旗やうちわを振るなどして列車を出迎えていた。
西日本豪雨では、白木山-狩留家(かるが)(いずれも広島市安佐北区)間の三篠(みささ)川に架かる橋が流されるなどして、中三田(なかみた)-狩留家間の不通が続き、バスによる代行輸送が続いていた。広島駅から西三次駅までを管理するJR西広島管理駅長の上田淳司さん(58)は「災害の影響でご不便、ご迷惑をおかけしたが、歓迎ムードで全線復旧を喜んでくれたのは大変ありがたい」と話していた。