31日に火災に見舞われた那覇市の首里城では1日、広範囲の規制が解かれ、周辺の店舗などが営業を始め、観光客の姿も見られた。しかし、普段では観光客で渋滞する車や道を埋め尽くす人混みもなく、閑散とした様子だった。
この日は、「守礼門」から城内入り口となる「歓会門」までの規制が解除された。修学旅行の学生や観光客、地元住民らが訪れ、遠くに一部だけ見える首里城の正殿などをスマートフォンで撮影するなどしていた。
交通規制により31日は営業ができなかった近隣の店舗も営業を再開。しかし、普段に比べて人混みはまばらだという。
「いつもこの辺の道路はレンタカーで渋滞してますし、午前中で駐車場はいっぱいになって観光客でにぎわっていたのに一日で空気が変わってしまった」
首里城の守礼門側にある飲食店「おにぎり処首里」の代表の男性(51)は心配そうに話した。
10月27日から3日まで琉球王国の儀式を再現するイベント「首里城祭」が開かれていたが、31日の火災を受けて以降のイベントはすべて中止になった。
男性は「復旧するには何十年もかかると思うので、自粛ムードが続くよりも、たくさんの人に来てもらって盛り上げてもらう方がありがたい。せめて公園だけでも規制が早く解除してもらうとありがたい」と話した。