文化財、夜間態勢は手薄 木造の火災被害やまず 首里城火災

 歴史的な建造物や文化財は過去にもたびたび焼失し、防火管理のあり方が問われてきた。パリでは今年4月、ノートルダム大聖堂で火災が起き、尖塔(せんとう)が焼け落ちた。世界史的な悲劇を受け、文化庁は国宝や重要文化財の緊急調査を実施。夜間の緊急対応に脆弱(ぜいじゃく)性があるとの課題も浮上していた。

 「全国的に夜間態勢が手薄だというところは多い。懸念していた事態が起こってしまったのかもしれない」。首里城火災について文化庁の担当者はこう語った。

 文化庁が8月に公表した緊急調査結果では、世界遺産・国宝の8・3%、重要文化財の35・4%で、夜間の緊急時に対応できる人が2人未満であることが判明し、管理体制の脆弱性が指摘された。首里城は復元物のために調査対象に入っておらず、「状況は分からない」と担当者。これから現地に調査官を派遣し、出火原因や消火設備の作動状況などを確認する予定だ。

 首里城では27日からイベントが開催され、少なくとも30日深夜までは、関係者が準備作業を行っていたという。

 こうした作業と出火との関連性は不明だが、多くの世界遺産を有する奈良市の消防局幹部は「奈良の社寺でもイベントはしばしばあるが、世界遺産の指定建造物周辺では火気使用に制限がある」と説明。首里城周辺での規制がどうなっていたのかも今後の検証のポイントになるとみられる。

 文化財をめぐっては過去にも火災による焼失が繰り返されてきた。昭和24年1月26日には、奈良・法隆寺金堂で火災があり、壁画が焼損。これを教訓に翌25年に文化財保護法が制定された。この年には京都・金閣寺が放火されている。同30年には文化財防火デーが定められ、毎年1月26日に全国の寺社で防火訓練が行われるようになった。

 しかし平成5年には奈良・橿原神宮の神楽殿(重要文化財)が全焼するなど、多くが木造の日本の歴史的建造物では、火災の被害が絶えない。

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