所得税3000万円を脱税したとして、大阪国税局が所得税法違反の罪で、神戸市須磨区南落合の無職、中川忠彦氏(81)を神戸地検に告発していたことが30日、関係者への取材で分かった。重加算税を含む追徴税額は、3800万円に上る見通し。既に修正申告を済ませ、一部は納付した。
関係者によると、中川氏は、赤字を3年間繰り越せる税務申告制度を悪用。平成27年1月~29年12月、金の先物取引で、多額の利益を上回る損失が生じたように装う手口で、同取引で得た2億500万円の所得を隠したとされる。
中川氏は年金を受給していたが、複数の取引所を通じ金の先物取引を行っていた。隠した資金は、個人名義の預貯金口座にためていたほか、取引の担保として預ける証拠金に充てていた。