主張

ドローンの攻撃 新しい脅威を軽視するな

 サウジアラビアの重要石油施設に対する、軍事用無人機(ドローン)と巡航ミサイルによる攻撃は、世界のエネルギー安全保障を揺るがしたが、影響はそれにとどまらない。各国の防衛態勢にも衝撃を与えている。

 日本が、遠い中東での出来事だと油断しているようでは危うい。政府は、自国の防衛にも深く関わる事態と捉え、新しい脅威に備えてもらいたい。

 サウジ国防省は攻撃に使われたドローンと巡航ミサイルの残骸を公表し、イラン製だと主張した。攻撃には、ドローン18機と巡航ミサイル7発が使われたという。

 攻撃したのがイランなのか、それともイランの支援を受けるイエメンのイスラム教シーア派武装組織「フーシ派」なのかをめぐって論争が続いている。

 攻撃主体がどこであるかは重要な問題だが、巨額の費用をかけて整えられたはずのサウジの防空態勢が容易に突破され、重要施設が破壊された点にも着目しなければならない。

 日本でも市販され、撮影などに使われるような小型ドローンと、今回攻撃に使われたドローンは大きく異なる。

 今回の巡航ミサイルはジェットエンジンによる推進だった。ドローンは三角翼で、尾部のプロペラで飛行した。攻撃目標の緯度経度をセットし、衛星利用測位システム(GPS)などを利用して命中させたとみられる。いずれも、低い高度を低速で飛ぶため、レーダーでの探知や迎撃が難しい特徴がある。

 サウジは米国製の地対空誘導弾パトリオットで、フーシ派が発射した、高い高度から高速で落下してくる弾道ミサイルを撃ち落としてきた。今回の攻撃はサウジの弱点を衝(つ)いた。巡航ミサイルやドローンの製造費は、サウジの迎撃ミサイルよりも相当安価だ。

 これらは周辺国が日本を攻撃する場合も有効だ。だが自衛隊の能力は十分とはいえない。例えば、計画中のイージス・アショア(陸上イージス)は今のところ、弾道ミサイル対処用とされる。

 自衛隊は、巡航ミサイルや軍事用ドローンの迎撃力をできるだけ早く整えるべきだ。同時に、敵基地攻撃力保有による抑止力を高める必要もある。中国は軍事用ドローンの開発・生産に極めて熱心だ。真剣な対応が求められる。

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