主張

米同時テロ18年 温床根絶へ不断の努力を

 18年前の9月11日、ニューヨークの世界貿易センタービルなど米国の中枢が乗っ取り機による自爆テロを受け、多数の人命が失われた。

 世界規模のテロとの戦いの発端ともいうべき、米中枢同時テロである。「テロの温床」は根絶しなければならない。それが最大の教訓である。

 米国は首謀者である国際テロ組織、アルカーイダのウサマ・ビンラーディンが拠点としたアフガニスタンを攻撃した。

 戦乱で荒廃し、無秩序となった土地にテロリストは巣くい、武器を手にし、世界に散らばって無差別攻撃を仕掛ける。

 当時のアフガンは、旧ソ連の支配に抵抗したゲリラ各派による内戦の末、イスラム原理主義勢力、タリバンが国土の大部分を制し、まさにそうした状況にあった。

 米国はタリバンを首都カブールから駆逐し、アフガン戦争に勝った。だが、今に至る長期の米軍駐留を余儀なくされている。タリバンが自爆テロなどによる抵抗をやめないからだ。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)も浸透した。アフガンは再び「テロの温床」とはならない。その確証がなければ、米軍や国際部隊の縮小、撤収はできない。

 アフガン駐留は米国では「史上最長の戦争」と呼ばれる。誰もが終結を願っている。そうした背景もあり、時として米大統領選などを視野に拙速な交渉姿勢が垣間見えることもある。

 米国とタリバンは和平に向けて直接交渉を重ね、駐留米軍の大幅削減などで合意が近いと伝えられたが、トランプ米大統領が自ら、「協議中止」を表明した。

 タリバンは交渉の最中もテロを続け、米兵も犠牲になった。大統領の判断は当然である。タリバンは交渉でアフガンを国際テロの拠点にしないと約束したというが、信用はできない。

 東京五輪を来年に控え、日本でもテロ情報の収集や施設の警戒・監視などの重要性が増している。同時に、「テロの温床」根絶への努力も欠かせない。テロと対峙(たいじ)する国際社会の環(わ)に、日本も積極的に参加すべきである。

 ISが一時、広大な地域を支配したシリアやイラク、内戦が続くイエメンやリビアなども、アフガン同様の危険をはらんでいる。これらの国々が放置されるようなことはあってはならない。

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