危なかった…。東北新幹線の仙台発東京行きのはやぶさ46号が仙台-白石蔵王間を時速約280キロで走行中、ドアが開いた状態になっていた。幸い、けが人はいなかったが、あわや大惨事になりかねない事態だった。
21日午前10時15分ごろ、走行中の9号車の進行方向右側のドアが開いたことを示す表示が出たため、運転士が宮城県柴田町のトンネル内で緊急停止させた。JR東日本によると、ドアは約40秒間開き、緊急停止した反動で全開になっていた。
車掌がドアを閉めて安全を確認し、約15分後に運転を再開した。
仙台駅出発前の清掃時に、作業員がドアコックと呼ばれる手動でドアを開ける装置を閉め忘れたことが原因とみられる。
仙台駅を出発した時点でドアは閉まっており、乗務員は閉め忘れに気付くことができず、ドアは走行中に開いたとみられる。
はやぶさ46号には約340人が乗っていたが、デッキ周辺に乗客はおらず、線路に降りた形跡もなかった。
乗客に被害がなかったことが幸いだったが、「何かにつかまるなどしなければ怖い」と語るのは、鉄道アナリストの川島令三氏。「開いたドアが1カ所だけならば風圧で押し出されることはないだろう。ただ、車両に振動があったり、線路の外側が高いオーバーカントなどのカーブで車体が傾いた場合、人が外に落ちることも考えられる」と指摘する。
国土交通省は同日、JR東に対し、再発防止策を指示。JR東は当初、ドアは閉まっていたと説明したが、修正した。
「通常、ドアコックを閉め忘れた場合、車両が発車できないようにする装置が付いているはずだが」と前出の川島氏は首を傾げる。
デッキまで満員になるラッシュ時でなかったのは不幸中の幸いだった。