大日本住友の馬場博之執行役員は、「貴重な新薬候補を無駄にしないよう、今後も事業の切り出しを含め、さまざまな選択肢を模索したい」と話す。
カーブアウトした事業が成功すれば、反対に製薬企業が買い戻す例もある。
塩野義製薬は今年6月、同社から平成27年に事業分離したベンチャー「ピオニエ」を買収したと発表した。ピオニエが外部資金を活用して新薬候補の研究を続けた結果、薬効や安全性を確認できたためで、開発は塩野義が引き継ぐ。
ピオニエ設立を支援した大阪商工会議所では「ベンチャーとして事業分離することで、外部の資金や人材を活用して研究開発を加速できた。今後もカーブアウトによる創薬事業化を支援したい」としている。