主張

北のミサイル発射 制裁強化で応じるときだ

 北朝鮮が25日早朝、日本海に向け短距離弾道ミサイル2発を発射した。韓国軍によると、飛距離は約600キロだった。

 金正恩朝鮮労働党委員長が発射に立ち会った。朝鮮中央通信は、作戦配備段階に至った新型ミサイルであるとし、「韓国軍部の好戦勢力に厳重な警告を送る武力示威の一環」だと強調した。8月に予定されている米韓合同軍事演習中止を要求した。

 北朝鮮の弾道ミサイル発射は5月9日以来で、国連安全保障理事会の制裁決議違反である。

 安保理は会合を開き、今回の北朝鮮の挑発行動を取り上げてもらいたい。また、関係各国は現行の対北制裁を一層堅固なものとしなければならない。

 これは日本自身の安全にも関わる。飛距離が600キロであれば、福岡を含む九州、山口の一部が射程に含まれるからだ。

 トランプ米大統領は「核実験もしていないし、発射実験も小さなものしか行っていない」と述べ、今回の発射を問題視しない考えを示した。同盟国の安全を軽視するような態度は問題である。

 対北制裁の緩みがあってはならない。米シンクタンクは、安保理決議が北朝鮮への輸出を禁じている高級車が2015~17年、803台も密輸されていたと指摘した。1台50万ドル(約5400万円)以上するドイツ製「メルセデス・マイバッハS600ガード」防弾仕様車2台は、オランダから海路、中国の大連、大阪、韓国の釜山を経て、最後はロシア極東から空輸されたという。

 密輸のための違法ネットワークが張り巡らされている。金正恩委員長はその密輸高級車に乗り、トランプ大統領との会談などに公然と現れている。安保理と国際社会への侮辱である。

 安保理決議に基づき、日米などは洋上での瀬取りに目を光らせているが、北朝鮮はあの手この手で逃げ道を見いだしているということだ。

 核・ミサイル関連物資も同様に北朝鮮へ搬入されている可能性が高く、警戒せねばならない。

 核・ミサイル開発用の外貨を稼いでいる、中露など海外における北朝鮮労働者の年内送還も、安保理決議が求めている。

 北朝鮮に核・ミサイル戦力を放棄させるには、制裁の厳格履行が欠かせない。

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