石平のChina Watch

平成に学ぶ「日中」の教訓

このような日中の関係史からわれわれは、「日中友好」も「対中親善」も、まったく無意味であることを思い知らされたのではないか。

そして平成最後となる昨年あたりから、中国の習近平政権は政権成立以来の日本無視の外交姿勢から一転して、日中関係の改善に積極的に乗り出した。その理由は、米中関係が未曽有の対立ムードとなった中で、あるいは習政権肝煎りの一帯一路構想がアジア諸国と西側先進国の大半から批判と反発を受けている中で、当の中国が対米牽制(けんせい)のために、あるいは国際社会を説得するために日本を大いに利用したいからだ。

つまり以前の江沢民政権の時と同じように、「蛇」は再び「農夫」に助けを求めてきているのだが、日本はどう対処すべきなのか。

日中関係の安定化自体は特に問題はないと思うが、われわれが忘れてはならないのは、平成の日中関係の大いなる教訓である。中国のために火中のクリを拾う形で一帯一路に参加するのも、米中冷戦における同盟国・アメリカの戦略と立場を無視して過度な中国接近を行うのも、日本の国益にとっては百害があって一利のないことは明らかだ。

令和の時代のわが国の対中外交は、まさに国益を守ることを唯一の立脚点とし、好意からの「対中親善」や「日中友好」の幻想とは無関係な冷徹な戦略に立つべきものではないのか。

【プロフィル】石平

せき・へい 1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。

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