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「ディスレクシア」という言葉をご存じだろうか。文字の読み書きに困難を伴う学習障害の一種で、米映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏も自身がディスレクシアであると公表している。徐々に認知されつつあるとはいえ、見た目では普通と変わらないため認知されにくく、支援体制の確立が急がれている。そこで注目されているのが、弱視者やディスレクシアでも読みやすいとされる書体「ユニバーサルデザイン(UD)フォント」だ。明朝体やゴシック体など通常の書体と何が違うのか。今年度、全国に先駆けてUDフォントが導入された奈良県の教育現場をのぞいた。(石橋明日佳)
ハリウッド俳優も
ディスレクシアは読字障害とも呼ばれ、文字がゆがむ▽文字が反転して見える▽文字と発音が一致しない-などさまざまな症状がある。現在のところ、医学的な治療法は確立されておらず、個人に合わせた学習支援が効果的とされる。
ディスレクシアの啓発や支援を行うNPO法人「エッジ」(東京都港区)によると、英語圏に多く、米国では全人口の10~15%、日本では5~8%と報告されている。スピルバーグ監督のほか、ハリウッド俳優のトム・クルーズやジム・キャリーも公表しており、その存在が徐々に浸透しつつある。
エッジの藤堂栄子会長は「近年、英語圏では身近な存在になり、支援の種類も格段に増えているが、日本では認知が進んでいないのが現状。潜在的に多くのディスレクシアがいることを知ってほしい」と話す。