国民民主党まで…5野党のあきれた『安保法廃止法案』提出 左傾化深めたことこそ民進党崩壊の原点

安保法廃止法案を国会提出した(右から)立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の玉木代表、共産党の志位和夫委員長、自由党の小沢一郎代表
安保法廃止法案を国会提出した(右から)立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の玉木代表、共産党の志位和夫委員長、自由党の小沢一郎代表

 あきれかえった国民が多かったのではないだろうか。

 立憲民主、国民民主、共産、自由、社民の野党5党が22日、今や「時代錯誤」と言わざるを得ない法案を参院に共同提出した。集団的自衛権の一部の行使容認した現行の安全保障関連法が違憲の存在だと説き、同法を廃止せよというのだ。

 いまだにこうした主張を繰り返していることにも驚くし、こうしたパフォーマンスで参院選を勝利できると考えているあたりが、国民の感覚からは大きく乖離(かいり)している。

 『赤旗』(23日)によれば、日本共産党の井上哲士参院国対委員長は次のように指摘したという。

 「安倍政権のウソや忖度(そんたく)、民意を聞かず立憲主義に反する政治の原点が安保法制だった」

 私は、こうした解釈にはまったく反対である。政権を下野した民主党(民進党)が共産党と一緒になって安全保障の問題を憲法問題としてしまった点にこそ、日本のリベラル勢力の根本的な過ちがあったと考えている。

 安全保障の問題に関して、内容について議論することを避け、「違憲だ!」と断ずれば、譲歩することができなくなるのは自明の理だ。譲歩できない以上、野党は徹底的な批判しかできない。

 だが、国民の信任を得ている与党は政治を前に進めていくだろう。こうして、いつしか国民は「無責任な批判ばかりを繰り返すのが野党だ」と、軽蔑のまなざしをもって眺めることになる。安保法案審議で、民進党が「立憲主義を破壊する」「憲法違反だ」と叫んで左傾化を深めたことが、民進党の崩壊の原点に他ならないのだ。

 思い返してほしい。集団的自衛権の行使容認によって、「戦争に巻き込まれる」「徴兵制が導入される」との議論があった。

 私自身、ある集会で不安に駆られた高校生から「僕たちは徴兵されて、戦争に行かされるのですか?」と質問されたこともある。その際、問題を丁寧に説明し、あまりに大げさな大人たちの言葉を真に受けないようにと答えた。

 現実はどうだったのか。誰か徴兵された人はいるのだろうか? 日本は戦争に巻き込まれたのだろうか? 彼らの言説は私が当時から説いていたように、あまりに極端で大げさな言葉に過ぎなかったのである。

 今回、とりわけ残念に思うのが、玉木雄一郎代表率いる国民民主党の対応だ。

 彼らはもう少し現実を見据えた安全保障政策を展開しながら、国民の福祉、弱者の救済に手を差し伸べようとする集団であると考えていた。現実的な安全保障政策を「違憲だ!」「違憲だ!」と騒ぐだけでは、自衛隊のことを「違憲だ!」と騒ぎ続けていたかつての社会党の二の舞になってしまうだろう。

 小選挙区制度を導入しながらも、「穏健な保守主義政党」と「穏健なリベラル政党」との間の二大交代制が、日本で実現する日は遠いと言わざるを得ない。

 ■岩田温(いわた・あつし) 1983年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。拓殖大学客員研究員などを経て、現在、大和大学政治経済学部政治行政学科専任講師。専攻は政治哲学。著書に『平和の敵 偽りの立憲主義』(並木書房)、『「リベラル」という病』(彩図社)、『偽善者の見破り方-リベラル・メディアの「おかしな議論」を斬る』(イースト・プレス)など。

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