山形県の天童木工が開発した新木材、家具や自動車内外装に応用

 スギやヒノキなど軟らかい針葉樹を広葉樹の強度にまで高める圧密加工技術を平成26年に開発した天童木工(山形県天童市)。同社は、この技術に加え、燃えにくく、腐りにくい性能を付加した圧密浸漬(あつみつしんせき)処理技術を加えた新木材を開発し、家具の屋外での展示も可能にした。東京・東京ビッグザイトで30日に開幕する「新機能性材料展2019」で、新木材を使ったコンセプトカーを展示する。

 家具の材料は、広葉樹が主に使われてきたが国内調達が難しいのが現状だ。一方戦後、住宅用に植林されたスギやヒノキなど軟らかい針葉樹は使われず、「山林地域ではスギ材が放置され、使われない状態になっており、地域の荒廃を生む要因にもなっている」(同社)という。

 この使われない軟材を広葉樹と同等の強度にまで高める技術が、圧密加工(ロールプレスウッド)だ。これまでやわらかいため家具には不向きとされてきたスギやヒノキなどの針葉樹を厚さ1~5ミリの薄い板にローラーで圧密(プレス)する。これに同社独自の成型合板の技術を組み合わせ、複雑な曲面や繊細なフォルムの家具づくりを可能にした。同社企画課の澤木亮平さんは「この使われなくなったスギなどの針葉樹に着目して開発した技術です」と言う。

 この技術をさらに進化させ、難燃性と防腐・防蟻性をもたせたのが、ロールプレスウッドプラス(RPW+)だ。圧密したスギ板は、変形後、元に戻る性質があり、難燃性の薬剤を含ませる「浸漬処理」を行うことで、より燃えにくく、より腐りにくい木材に変えた。薄い板一枚一枚に薬剤を含ませていくため板の内部まで着実に難燃性の薬剤を浸透させることができる。同社の西塚直臣製造本部長のチームが開発した新技術だ。

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