【ワシントン=黒瀬悦成】ポンペオ米国務長官は26日、アフガニスタン情勢に関しツイッターで「米国は和平を追求し、アフガンが今後も国際テロの空間とならないようにするとともに、(米軍)部隊を本国に帰還させることを真剣に考えている」と述べ、将来的にアフガニスタン駐留米軍を順次撤収させていく考えを示した。撤収開始の時期などについては明らかにしなかった。
米国のハリルザド・アフガン和平担当特別代表は21~26日にカタールのドーハでアフガンのイスラム原理主義勢力タリバンと和平協議を実施。現地からの報道では、双方は米軍撤収に関し一定の合意に達したとされるが、ポンペオ氏は「協議では和解に関し重要な進展があった」としたものの、米軍撤収に関する合意には言及しなかった。
ポンペオ氏はまた、和平に関し「アフガン政府および全ての関係当事者と一緒に取り組んでいる」と指摘。「米国はアフガンの主権と独立、繁栄を目指す」とも語り、不完全な合意で情勢を不安定化させないよう慎重に協議を進める立場を打ち出した。
一方、ハリルザド氏もツイッターで「近く協議を再開する」とした上で、「多くの取り組むべき課題が残されている。関係当事者間の対話と包括的停戦を含む全ての課題で合意できなければ合意にはならない」と強調した。
ロイター通信などによると、今回の協議では和平合意が成立してから18カ月以内に米軍がアフガンから撤収を始めることで一致したとされるが、ハリルザド氏の発言は米軍撤収の議論が先行することにクギを指す狙いがあるとみられる。