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稀勢の里ロスから抜け出せない…親心応援したくなる日本出身力士が出てきてほしい

稀勢の里
稀勢の里

 ■1月25日 稀勢の里ロスから抜け出せないでいる。日本出身横綱の引退後も大相撲を見ているが身が入らない。ドキドキしながら取組を見ることがないと思い至ったとき、稀勢の里の一番では親心応援をしていたことに気付いた。

 子供の競技を「怖くて見ていられない」と目を閉じてしまう親は多いという。リオ五輪で、肉親と同じような気持ちになって応援する人が多いことを知り、それを親心応援と名付けた。相撲ぶりが不器用で、ばか正直に正攻法を貫くから格下にころっと負けることも多かった稀勢の里。強い半面、弱さを見せるから親のようにハラハラしながら応援する。当然、思い入れも強くなり稀勢の里ロスに陥った、というわけだ。

 そうしたファンは結構いるはずだが、横綱の引退に加え上位陣の休場が相次いだ4日目以降も視聴率は好調という。これは昨今の相撲人気が盤石であることの証し。その礎を築いた一人である稀勢の里の功績は大きい。さらに御嶽海、貴景勝の若手が、このところ優勝していることが挙げられる。

 その「ポスト稀勢の里」に立ちはだかるのが、歴代最多勝の白鵬。同最多42回目の幕内優勝を狙っている大横綱に対し、「近いうちに進退を懸ける場所が訪れるかもしれない」と1年前に書いたことをわびたいほど強い。体力は全盛期ほどではないとしても、それを補って余りある技量と気迫がある。

 その強さに敬意を表すが、本音は稀勢の里のような真っ向勝負で白鵬を倒せる日本出身力士が出てきてほしい。横綱に初めて土を付けた御嶽海の相撲は見応えがあった。けがを押しての再出場だった心意気も良し。これを続けてくれれば、親の気持ちで応援したくなる。 (鈴木学)